グラントリノ

劇中で「プリースト」と言っているんだから「神父」ではなく「牧師」と訳してほしいところです。ルター派教会ではなく、日本では「ルーテル教会」ですから、そのへんもDVD化のときは直していただけたら、と思います。

なんてことは、まあどうでも良くて(よくはないんだけどね。カトリックなのかプロテスタントなのかで、物語の持つ意味が変わることもあるからね)

たいへん面白うございました。
イーストウッド、すごい境地に達してます。

まずは自分のダーティーハリーのセルフパロディーで笑わせて(この主人公はまるっきり、ダーティーハリーの老後だもん)
途中から西部劇になり
そして最後は宗教映画になってしまうのです。

恐れ入りました。

父と子の物語に「妻の思い」という精霊を加えて、グランド・トリニティー(三位一体)は完成するのでした。
ここらへんは「聖書」ではなく、そのさらなるルーツである「神話」をモティーフにして描いていたバズ・ラーマンの『オーストラリア』と並べてみるのも一興でしょう。