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今年のオスカー

毎年のことですが、誰が受賞したのか、どの作品が受賞したのか、ということは特にどうでもいいんです、僕の場合。
だってどの映画もまじめにしっかり作られた作品だし、どの人も精一杯、その映画に心を込めた演技を刻印した方々ですから。
だからオスカー像が手渡された人もされなかった人も、全員に拍手です。

僕はいつも、オスカーから時代の気分を受け取ることを楽しみにしています。
そして今年のオスカーは
近年まれに見る、映画への愛情と映画仲間に対するリスペクトにあふれた素敵なショーになっておりました。
ブッシュ時代の、あのアメリカ政府そのものに対する当てこすりや皮肉は影を潜め、全体に困難な時代を、信頼できる仲間と協力し合い、お互いを讃え合って乗り切ろう、というメッセージにあふれていました。
ヒュー・ジャックマンがエスコートするショーですから、さながらブロードウェイのようにステージと客席の距離が近く、またステージも客席とフラットにつながっていて、よりいっそうの、連帯意識が生まれる工夫がなされておりました。
先輩受賞者からひとりひとりのノミニーたちに個別に言葉が贈られる、というのも素敵でしたし、ミュージカルメドレーも良かったです。(ここはバズ・ラーマンの演出だったそうで、それもニコニコでした)

で、今年の気分。
それは「ちいさな幸せ」や「対する人への思いやり」がこの時代に活路を開く、という気分。
困難な時ほど、人は人に優しくなれる。
そんな気分。
おくりびと』の受賞はその「気分の現れ」でもありましたね。

映画たちが見る人たちに、この気分を伝えて行く、そういう一年がきっと、はじまるのでしょうね。