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吸血鬼

昨日は、どういうわけか吸血鬼映画を二本見ました。

一本はマイミクさま激賞(ついでにマイミクさま宅で鑑賞させて貰った妻子も激賞)の日本未公開スウェーデン映画『Let the right one in』って映画。
団地に住むいじめられっ子がいて、彼の隣の部屋に不思議な少女が引っ越してくる、というところから始まる物語ですが、きわめて静かに、ため息が出るほどリリカルに語られる孤独な少年と孤独な少女の触れ合いが、アップと引きを絶妙に織り交ぜたカメラワークで綴られます。
タイトルは『正しき者を招き入れよ』って意味ですね。
バンパイアは招かれないと部屋の中に入ってこれないって、吸血鬼映画のルールに則ったタイトルです。
この「招き入れる」ということが物語のキーになっていて、それは「部屋に」ではなく「孤独な心に」という意味になっているところがグッと来ます。
そして「Right」を「Light」と置き換えれば「光しもの、お入りください」って感じになりますね。
その「光しもの」とはもちろん、純粋な愛の光、です。
なんともピュアで、それでいてしっかりホラー(血まみれの顔が美しい、というのはホラーの美学だし)になっていて、子どもの話なのに宿命的な愛の残酷さまで語ってしまう(ラストはハッピーエンドであると同時に深く悲しい、ひとつの絶望だ)、お見事な映画でございました。
ファンタジー好きには紛れもなく今年の「One of Best」でございましょう。

もう一本はアメリカでバカ当たりして、ひとつのブームになり、シリーズはすでに三本目まで製作決定、という華々しい吸血鬼、『トワイライト』でございます。
こちらは、吸血鬼映画のルールをすべて無視、という潔さが面白い。吸血鬼を単純に「結ばれることの叶わぬ王子様」というふうにシンプル化したのが、大ヒットの要因でしょうね。
ひたすらカッコ良く、謎めいていて、必要なときにはどこからともなく現れて助けてくれる。口にするのは「永遠の愛を生きよう」だし「君をモンスターにしたくない」だ。
これはもう女子はこぞってメロメロになりますよね。
あなたとなら異界に旅立たって構わない。
そう思うのも不思議はありません。
映画としてはどうかというと、青春ラブストーリーとしては悪くないって感じかな。
バンパイアたちの野球でアンパイアをするって駄洒落みたいなシーンは笑ったけどね。

って感じで、吸血鬼さんたち、頑張ってます。
テレビではアンナ・パキンが主演してる「アメリカ南部の吸血鬼」物、『TRUE BLOOD』も人気でセカンド・シーズンに突入したようですし。
これは日本製の人工血液『トゥルー・ブラッド』が発売されたおかげで生き血を吸う必要がなくなった吸血鬼たちが、人を襲わなくてよくなったんだから共存してもいいでしょ、と続々カミングアウトして市民権よ求めたりしてるって、設定。なのにコメディーではなく「マイノリティー差別」に苦しむシリアスなドラマとして展開していて、そこが面白そうです。『X-MEN』の吸血鬼版って感じでしょうかね。
日本でもオンエアしてくれたらいいんだけどな。
韓国でもカンヌのコンペに入るようなおじさん吸血鬼の映画が作られたし、日本では小雪さんが跳んだりはねたりしてましたよね。

不景気なときは吸血鬼ものが流行るって、本当なんですね。