T4U

お茶をどうぞ。



ではなく。



T4と書いたら、ただ「U」と付けたくなってしまうだけです



UZ4U というのは『トレマーズ』って映画の中で、ミリタリー・オタクの夫婦が乗っていた車のナンバーですね。
ウジー・フォー・ユー(ウジーをおみまいするぜ!)って、なかなかうまいジョークだなって感心しました。


なんて




ことは




どうでもよくて




T4




ですけど




これも 近未来SF ですね。

近未来、というとどうして人類はいつも、大変なことになってるんでしょうか。

明るく脳天気な 近未来 って、イメージしづらいのかな。

まあ、明るく平穏な未来だったら、そもそもターミネーターなんて物語は、はじめから存在してませんけど。

というわけで


以下、ネタバレかも































OK?
































これは、「審判の日」を迎えてしまった人類が、いかにしてその現実を乗り越えて行くのか、ということを語るための新三部作で、

それを

「神話」として構築しよう、新世紀のための「創世記」にしょう、という気配が濃厚でした。



自分がこれから何をしなければならないのか、主人公のジョン・コナーは知っています。


自分の父親となる予定の男は過去で死ぬ運命にあることはわかっていて、それでもなお父親をその過去へと送り出さなければならない。


となれば、これは当然


「父親殺し」を運命によって定められている JC というイニシャルを持つ男を描く
新たな神話 のはじまり


ですね。



JCというのは、もちろん、ジーザス・クライスト のイニシャルですから、これは「神の子」による「父殺し」について語るお話になるんですよね。



これはまた、たいそうな物語を内包したシリーズになりそうです。




その「神の子」に「ハート」を授ける人物は十字架に貼り付けられたりしてますし。
この人物の名前は軍神マーズに由来する名前で、さらには聖マルコにつながりますし。


聖マルコといえば、シンボルは「ライオン」ですね。
コナーは文字通り「ライオン・ハート」を手にするわけですね。
ライオンハートとは「勇猛なる魂」ですが、これを「獅子心王」と考えると、リチャード一世のことになるわけで、
リチャード一世と言えば、それは 十字軍を作った人、ということになります。


JC 率いる抵抗軍はだから 神の子に率いられた十字軍が 機械という名の森に戦いを挑む、ということになります。
ここで、「神」VS「森」が再現されるわけですが、


新しい創世記は「機械化文明の天空を支配するスカイネット」という名の「森」に
「人としてのJC」が挑む、


というふうに天と地の関係が逆転しているのが面白いです。



これは、そういう「神話」なので



父親となる運命の青年は「星」と一緒です。
星 は「神の子の誕生を三博士に知らせる」ためにベツレヘムの空に輝く物、ですね。



コナーには妊娠中の奥さんがいて、名前はケイト。
ということは、彼女はキャサリン・コナーという名前だって事ですね。
キャサリンとはつまりはカトリーナ、あるいはカタリナのことですから、そこから「聖カタリナ」という聖女が連想されます。
偶像崇拝を否定して、最後は「トゲのついた車輪」とかで拷問される人。
今後、この「カタリナの車輪」みたいなのが登場して、母となった彼女を苦しめるんでしょうね。

生まれてくるのは女の子で、名前は「サラ」とかになって、そこから「サラ・コナーの新たなクロニクル」が始まったりするのかもね。(← ただの妄想)


そのサラという名前はユダヤの始祖アブラハムの奥さんの名前ですから、JCの遠い母といえそうな人。
(ここでマリアなんて名前にしないのが聖書文化圏の人達の奥の深いところです)



ちなみに カイル という名前は 


「海峡」を意味する言葉から派生した名前ですが、
シンボルとしての「海峡」は「困難」または「苦難」を現しますので、
彼とその子どもがたどる運命への暗示になっています。

カイル・リースの、リースの方は「テレサ」から派生したものとされてるみたいですから、
これは聖テレサに行き着いちゃう。


テレサは「神は生身の肉体を持って目の前にある」というヴィジョンを見た人。

というふうに


いろいろと 


神話になりそうな要素ははじめからちゃんと整っている、


というわけですね。





「神は求める前に与えている」


ってことです。




なんて話を

ターミネーター4』を見た感想として書くような人間は
たぶん
あまり
いないと
思うので

これを
最後まで
読まれた方は


珍しい経験をしたと

苦笑して

ください。