名前のセンス

山崎豊子先生の作品って、どうして主人公たち、あんな漫画みたいな名前なんでしょうか。

華麗なる一族の 製鉄屋さんの御曹司の名前が 万俵鉄平とか銀平とか、センスがあるんだかないんだか。

白い巨塔 財前はいいとして、五郎って名前にするかなあ、ふつう。五郎って主人公の名前じゃなくて、その助手って位置の人に付けそうな名前だし。

大地の子 陸一心 うーむ。物語のテーマを名前にまとめてみましたって感じで、たとえばモテモテのナンパ大学生を主人公にした映画でその名前がディック・ラブジョイだったりするような、そんな感じ。

不毛地帯の 壱岐正 いきただし? 正しい生き方! って感じ? 

沈まぬ太陽 恩地元 おんちはじめ はやっぱり主人公っぽくないけど、敵役になる親友の名前が行天四郎と来ると、もう完全に漫画であります。仰天しろ! と命令されてもなって思います。

シリアスな小説のシリアスな場面で「こちらは行天四郎さんです」なんてセリフがあるたびに、つい「それからこちらが、びくりしたぞう です」なんて口の中で呟いてしまうし。